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サントリー美術館
サントリー美術館

東京都港区赤坂9-7-4 :六本木・東京ミッドタウン ガレリア3階
「東京ミッドタウン」 21世紀の日本を代表する街、世界に類を見ない独創的な街が誕生しました。


The Radiance of Stillness and Motion: Bohemian Glass
from the Collection of the Museum of Decorative Arts in Prague

プラハ国立美術工芸博物館所蔵
耀きの静と動 ボヘミアン・グラス

「ガラス彫刻」の耀き―名品170件でたどるボヘミアン・グラスの美

 極東の地は、ヨーロッパにとって芸術と技術の両面で、常に大きな挑戦の対象であると同時にインスピレーションの源泉であった。 チェコガラス、その「国の宝」は今もなお誇りであり、プラハ国立美術工芸博物館のコレクションに収められたこの宝物の中から厳選された名品170件の展示でご紹介するものです。
カットとエングレーヴィングによって、水晶のように輝くボヘミアン(チェコ)・グラス。 13世紀頃に始まるガラス製造は、1670-80年代、透明度が高く、光との共鳴が美しいカリ・クリスタルの開発によって興隆し、18世紀にはヴェネチアン・グラスが流行するヨーロッパのガラス市場を席巻する勢いとなりました。 19世紀にさまざまな着色・絵付け法が発展すると、モノクロームの美は一転、色彩豊かに変貌します。 さらに20世紀には世界に君臨する「ガラス彫刻」を築き上げ、今もなお発展し続けています。



会期:
2014 8/2(土)〜9/28(日) 展覧会は終了しました。
休館日:毎週火曜日 ※9/23(火・祝)は開館
開館時間:10時〜18時 ※金・土、および 9/14(日)、9/22(月)は20時まで開館
※いずれも最終入館は閉館30分前まで
会場:サントリー美術館 六本木・東京ミッドタウン ガレリア3階



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プラハ国立美術工芸博物館所蔵「耀きの静と動 ボヘミアン・グラス」展:プレス内覧会

プラハ国立美術工芸博物館所蔵
「耀きの静と動 ボヘミアン・グラス」展
プレス内覧会 8/1 '2014


時を追うごとに多彩な表情を見せる造形美 ボヘミアン・グラス

「展示構成」
―本展覧会 「News Release No. sma0004」 「ボヘミアン・グラス:カタログ」より抜粋して掲載しています―

 本展は、現代のチェコ共和国周辺に花開いたボヘミアン・グラスの変遷を、15世紀から現代にいたるプラハ国立美術工芸博物館(プラハにある美術群)の収蔵品170件でご紹介するものです。

「展示構成」
第1章 中世後期: 14〜15世紀
第2章 ルネサンスとマニエリスム: 1550〜1650年頃
第3章 バロックとロココ: 1650〜1790年頃
第4章 古典主義、帝政様式、ビーダーマイヤー様式、ロココ・リヴァイヴァル: 1800〜1865年頃
第5章 歴史主義: 1860〜1890年頃
第6章 アールヌーヴォー、アール・デコ、機能主義: 1890年頃〜第二次世界大戦
第7章 1945年から現代まで


第2章 ルネサンスとマニエリスム: 1550〜1650年頃

第2章 ルネサンスとマニエリスム: 1550〜1650年頃
 16世紀中頃になると、ボヘミアン・グラスの器形は進化し始め、脚付きのゴブレット、大小のビーカー、ピッチャー、ジョッキなど、多様な器が登場した。 型吹きと熔着が主流だった装飾法にも、エナメル絵付やエングレーヴィング(彫り)が加わり、彩りを添えるようになる。

・5最左 《ザクセン選帝侯クリスティアン2世肖像文パネル》
1602年または1606年 カスパー・レーマン(エングレーヴィング) プラハまたはドレスデン 無色ガラス、エングレーヴィング 高25.0cm 幅19.0cm

このパネルは、クリスタルの細工師カスパー・レーマンの屈指の名作でクリスティアン2世の肖像が刻まれ、2世候がザクセン選帝侯に即位した1602年にプラハで制作されたものと推測できる。 レーマンは1612年には貴族に列せられ、爵位を授けられた。


第4章 古典主義、帝政様式、ビーダーマイヤー様式、ロココ・リヴァイヴァル: 1800〜1865年頃

第4章 古典主義、帝政様式、ビーダーマイヤー様式、ロココ・リヴァイヴァル: 1800〜1865年頃
 19世紀は、古代ギリシャ・ローマ芸術への憧れからシンプルで落ち着いた造形の古典主義様式に始まり、続く帝政様式には、繊細な飾りや肖像画を掘った無色透明ガラスの器が好まれた。 しかし1820年代になると、市民に親しみやすいビーダーマイヤーという様式が出現し、色ガラスが人気を博すようになる。

・115最右 《善きサマリア人文蓋付ゴブレット》 1858年以前 カルル・プフォール(エングレーヴィング) ハラフ・ガラス工場、クルコノシェ山脈ノヴィー・スヴェット(ガラスとカット) 無色ガラス、青色(コバルト)被せガラス、カット、エングレーヴィング 高55.0cm
カルル・プフォール(1826-1894)は、最も重要な彫刻師のひとり。 本作は絵柄の背景に、無色ガラスの層(最上層)を深く彫り、コバルトを含む青色ガラスの層を浮彫りするという、珍しい名人芸を駆使している。


第6章 アールヌーヴォー、アールデコ、機能主義: 1890年頃〜第二次世界大戦

第6章 アールヌーヴォー、アール・デコ、機能主義: 1890年頃〜第二次世界大戦
 アールヌーヴォーの時代は、花器の形は流動的になり、植物を模した装飾がガラス面を覆いました。 1918年以降、新たに建国されたチェコスロバキア共和国ではアート・ガラスが人気を博し、アール・デコ様式の形状とカラフルさを持つ作品が登場、1920年代末からは機能主義に基づく日用品も作られました。

・130中央 《蓋付ゴブレット》 1927年頃 ヨゼフ・ドラホニョフスキー(デザイン) 無色ガラス、宙吹き、ホットワーク、カット、エングレーヴィング 高40.3cm
プラハ応用美術学校の教授であったヨゼフ・ドラホニョフスキー(1877-1938)は、彼の最も愛した宝石のエングレーヴィングに加え、豪奢な彫刻ゴブレットのデザインにも力を注ぎ、後者は両大戦間にしばしば高級な贈答品として使われた。この形の彫刻ガラスは社会的に高く評価され、当時、最も著名なアーティストとして尊敬を集めた。



博物館階段室のステンドグラスのバナー:部分

プラハ国立美術工芸博物館「プラハにある美術群(博物館階段室ステンドグラスのバナー:部分)」

 プラハ国立美術工芸博物館は1885年にプラハ商工会議所により設立されました。 オーストリア(1867年以降はオーストリア=ハンガリー)帝国の領土では、商工業に関する権限は中央の国家機関が掌握し、それを進んで支えていたのが、貴族、知識人、実業家が関与する諸企業です。 美術工芸博物館の設立は数人の名士(中でも特にヴォイチェク・ラナ勲爵士)を中心に進められました。 同館は当初、商工会議所により運営された後、1948年に国営化されました。 現在、同館は国際的にも高く評価されるチェコ共和国屈指の国営施設です。
チェコの首都プラハにある美術館群で―「構成」―シュテルンベルク宮殿(バロック期までのヨーロッパ美術)・シュヴァルツェンベルク宮殿(ボヘミアンのバロック美術)・聖イジ―聖堂(ボヘミアンの19世紀美術)・聖アネシュカ修道院(ボヘミアン及び中央ヨーロッパの中世美術)・ヴェレトゥルジュニー宮殿(20世紀および21世紀美術)・ゴルツ・キンスキー宮殿(17世紀から20世紀までのチェコ風景画コレクション)・黒い聖母の家(チェコ・キュビズム)他1の部門に分かれている。
プラハ国立美術工芸博物館では、国内と海外の未来の世代に向け、過去と現代の手工芸品、応用美術作品、デザイン作品の収集と保存を行っています。 同館は機能・品質・美の調和を基本理念とし、来館者の皆様にインスピレーションを与え、だれでもが学びながら楽しめる展示を目指しています。

過去数世紀間、ボヘミアン(チェコ)・グラスの物語は多数の紆余曲折を余儀なくされるも、ガラス製造の職人、技術者、造形作家、教師、起業家、経営者らは常に、その継続へとつながる独創的な出発点を見つけることに成功してきた。 ボヘミアンの過去と現在の芸術的ガラス製造の物語が、今後も将来性のある進化を続け、さらなる驚異をもたらすことは間違いない。


お問合せTel:03-3479-8600
サントリー美術館公式サイト:http://suntory.jp/SMA/
主催:
サントリー美術館、読売新聞社
後援:チェコ共和国大使館、チェコセンター
協賛:ルフトハンザ、ルフトハンザ・カーゴ、三井不動産、
三井住友海上火災保険、サントリーホールディングス

特別協力:プラハ国立美術工芸博物館


参考資料:NEWS RELEASE No.sma0004、「サントリー美術館ニュースvol.251」、「ボヘミアン・グラス」図録他。
※写真撮影などの掲載は、主催者の許可を得て行っております。
※画像の無断転載禁止


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